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医師として、気持ちを引き締める日 [産婦人科医]

6月1日は、20数年前に、ボクが医師として、産婦人科医として、社会人として歩き始めた日です。
昔は、国家試験は4月にあり、結果発表が5月だったので、働き始めるのが6月1日になったという訳です。
研修医として最初にオリエンテーションを担当してくれた先生は、当時の病棟副医長でした。その先生とは長い付き合いで、結局、ボクが開業する前に勤めていた病院での上司でもありました。

自分が開業するときも、一番心配をかけて、一番迷惑をかけた先生です。

辛口な時もありましたが、どんな時も、いつもボクの味方でいてくれた大切な恩師です。
開業前に、自分が開業することを決心した時には、息子のことも一緒に心配してくれて、自分にできることがあれば遠慮しないようにと言ったうえで、「頭を冷やしてもう一回考えてみなさい。」と諭してくれました。
しばらく時間をおいて、もう一度、退職して開業する決心が変わらないことを告げに行ったときは、開業して一日何人くらい診察したら採算がとれるんだろうって、真剣に計算してくれました。

開業の時は、先生は、素敵な観葉植物をお祝いにくれました。
胡蝶蘭が多い中、いつまでも枯れない観葉植物という選択は、その先生の人柄そのものだと思いました。

ボクのクリニックは、開業当時にいただいた観葉植物がいくつかあり、どれも大切にしていますが、
先生からいただいた観葉植物は、診察室で患者さんと向かい合ったときに、ボクの左後ろで、ボクを指導しているような位置関係に置いてあります。

自分がつねに、患者さんに向かい合い、そして、ときに寄り添い、信念と希望と愛情をもって医療を続けることができるのは、いつも自分が理想としている医師の姿があり、その姿に見守られてきたからです。そして、今も毎日、見守られています。

何年たっても、追いつけない、追い越せない、自分にとって大きな存在。
少しでも、近づくことはできるのでしょうか?

まだまだ、修業は続きます。

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