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育自休暇です [産婦人科医]

クリニックを開業して、
あっという間に2ヶ月が経ちました。
開院のときにいただいた胡蝶蘭も
少しずつ盛りをすぎてきました。
それに合わせるかのように、
患者さんが来てくれるようになり、
まあまあ忙しい日もありますが、
まだまだ力が余っています。

「どうですか? 忙しいですか?」
挨拶代わりに、多くの人に尋ねていただきます。
関西の挨拶であれば、
「儲かりまっか?」
というあたりでしょうか?
 「ぼちぼちでんな〜。」と答えたいところですが、

 「いや〜、こんなに暇でいいんでしょうか?毎日、ニコニコしている間に一日が過ぎちゃって。」

実際そういう状態なのですが、みなさん、あまり信じてくれません。
「先生のところでしたら、そのうち大忙しになりますよ。」
 「え〜、うれしいけど、逆にしんどくなりたくないですね。」

家族のこととかも考えた上での退職と開業です。
あくまでも自分のペースは崩したくありません。
そして、なにより患者さんとしっかり向かい合うためにした決断です。

かといって、
そもそもの自分のペースは、今の自分よりは少しは忙しいものです。
それに、スタッフの給料もあるし、借金も返さないといけません。
ボクのチカラはまだまだ余っています。
そして、幸いにも、息子は元気です。
なによりも、このことがありがたいです。

そんな中で、先日、昨年定年退職された先輩の先生が、
体調を崩され、前の職場に入院されました。
アルバイトのついでで申し訳なかったのですが、
お見舞いにいきました。
開業の挨拶状を送っていましたが、
その先生にお会いしたのは、先生が退職されてから初めてでした。

 「先生、大丈夫ですか?」
などと、先生の病状などについて話した後、
「あんた、開業したんやて? なにがいややってん?」

歯に衣着せぬ先生から、直球ストレートの質問が浴びせかけられます。
もちろん、付き合いの長い先生ですから、ボクのことは何でも知ってくれています。
にこにこと微笑みながら、「何でも聞いてあげるで、いいたいこというてみ。」
といわんばかりです。。

 「今流行りの、”いくじ休暇”みたいなもんです。」
 「ただし、『じ』の部分は、自分の『自』なんです。自分を、もう少し育てないといけないと思いまして。」

「またまた、うまいこというなぁ。」

  「いやいや、先生こそ、ちゃんと治して、早く復活して下さい。」

無理せんと頑張りや、と、病気で入院している人から逆に励まされました。
いつも冗談ばかりで楽しい先生です。ボクとの、冗談交じりの会話の中で、目だけはじっとコチラを見て、
優しく、そして、心で頷いてくれているようでした。


患者さんと、しっかり向かい合い、そして、寄り添うことのできるクリニックを作り上げることで、
きっと、
これからのボク自身をも、育てていくはずです。

自分が育ち、忙しくなるのであれば、
それは、最高のストーリーだと思います。

まだまだ、頑張ります。


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