ワクチン、打ったほうがいいですか? [妊娠]
インフルエンザが大変なことになってます。
そのうち、もうみんながかかってしまい、ワクチンなんか要らないんじゃないか?って思うくらい、すでにかなり流行しています。
10月っていってた新型のワクチンもほとんど病院に供給されていません。
皆さんからの問い合わせも多く、外来ではその説明だけで一日が終わるって言うくらいです。
「妊娠しててワクチン打ってもいいんですか?」
「ワクチンそのものにアレルギーとかなければ、赤ちゃんには大丈夫ってことになっています。」
「ワクチン、怖いんですけど。」
「注射がいやなの?」
「いえ、ワクチン、ってのが抵抗あります。」
毎年、インフルエンザ(いわゆる季節性の)の時期になるとボクは妊婦さんにワクチンを勧めています。
少なくとも、ボクの患者さんは全員ワクチンを受けてるものと信じていました。
ところが、今、2回目の妊娠中で、前回もこの時期に妊娠していた妊婦さんのカルテを見ると、
意外にもワクチンをしてない方が多いのです。
ほとんど全員にしていたと思っていたのですが、
実際には、一部の希望者にしかワクチンを打っていなかったのです。
妊娠中にワクチンを希望している人はボクが思っているより多くはありませんでした。
ワクチンの説明をして、そして、もしインフルエンザになったとしてもタミフルなどの治療薬も妊娠中に使用できますよと付け加えます。
「やっぱり、打ったほうがいいですか?」
「そのほうがいいと思いますけど・・・。」
こっちも、すこし歯切れの悪いカンジです。
実は、ワクチンの供給そのものが十分ではない現在において、絶対受けたほうがいいって言えないのがつらいところです。
妊娠中にインフルエンザにかかったとして、赤ちゃんに対する影響はそれほど心配しなくてもいいようです。
ただ、新型インフルエンザは妊婦の死亡例が報告され、ハイリスクといわれている限り、十分な予防の対策が必要でしょう。
それに、軽症例が多いのも事実です。
医療者として悩むところです。
十分な予防策を講じることで安心できるのは確かです。
かといって、あまりヒステリックになって不安を煽るのもどうかと思います。
しかしながら、いろいろ考えてみて、これだけはいえるといます。
ひとつは、お産で入院中にインフルエンザになった時、やはり、「母子分離」となることです。
発症してから1週間は直接母乳をあげることができないことになります。
入院中はともかくとして、お産で家に帰ったあと、お母さんがインフルエンザに罹ったとしたら誰が赤ちゃんにお乳をあげるのでしょう?
もうひとつは、病院に対する影響です。
うちの産科病棟の隣にはNICUもあり、小さな赤ちゃんたちが呼吸器つけて頑張っています。
そんなうちの産科病棟でインフルエンザが蔓延してしまったら・・・。
最悪の事態も考えられます。
ワクチンを受けてもインフルエンザにかかる人はいます。
それは仕方がありません。
ワクチンそのもので深刻な副作用が出ることもあります。
しかし、個人的な好みでワクチンを受けずに、たまたま入院中にインフルエンザが発症したとしたら、その代償は意外と大きなものになるかもしれません。
予想できない分、悩みます。
現状では、妊婦さんからワクチンを打ったほうがいいかと訊かれたら、こう答えるしかありません。
「できたら、全員受けて欲しいと思っています」
そして、うがい、手洗い、部屋の十分な換気、なによりも十分な体力の温存(疲れすぎない)が大切なことはいうまでもありません。
そのうち、もうみんながかかってしまい、ワクチンなんか要らないんじゃないか?って思うくらい、すでにかなり流行しています。
10月っていってた新型のワクチンもほとんど病院に供給されていません。
皆さんからの問い合わせも多く、外来ではその説明だけで一日が終わるって言うくらいです。
「妊娠しててワクチン打ってもいいんですか?」
「ワクチンそのものにアレルギーとかなければ、赤ちゃんには大丈夫ってことになっています。」
「ワクチン、怖いんですけど。」
「注射がいやなの?」
「いえ、ワクチン、ってのが抵抗あります。」
毎年、インフルエンザ(いわゆる季節性の)の時期になるとボクは妊婦さんにワクチンを勧めています。
少なくとも、ボクの患者さんは全員ワクチンを受けてるものと信じていました。
ところが、今、2回目の妊娠中で、前回もこの時期に妊娠していた妊婦さんのカルテを見ると、
意外にもワクチンをしてない方が多いのです。
ほとんど全員にしていたと思っていたのですが、
実際には、一部の希望者にしかワクチンを打っていなかったのです。
妊娠中にワクチンを希望している人はボクが思っているより多くはありませんでした。
ワクチンの説明をして、そして、もしインフルエンザになったとしてもタミフルなどの治療薬も妊娠中に使用できますよと付け加えます。
「やっぱり、打ったほうがいいですか?」
「そのほうがいいと思いますけど・・・。」
こっちも、すこし歯切れの悪いカンジです。
実は、ワクチンの供給そのものが十分ではない現在において、絶対受けたほうがいいって言えないのがつらいところです。
妊娠中にインフルエンザにかかったとして、赤ちゃんに対する影響はそれほど心配しなくてもいいようです。
ただ、新型インフルエンザは妊婦の死亡例が報告され、ハイリスクといわれている限り、十分な予防の対策が必要でしょう。
それに、軽症例が多いのも事実です。
医療者として悩むところです。
十分な予防策を講じることで安心できるのは確かです。
かといって、あまりヒステリックになって不安を煽るのもどうかと思います。
しかしながら、いろいろ考えてみて、これだけはいえるといます。
ひとつは、お産で入院中にインフルエンザになった時、やはり、「母子分離」となることです。
発症してから1週間は直接母乳をあげることができないことになります。
入院中はともかくとして、お産で家に帰ったあと、お母さんがインフルエンザに罹ったとしたら誰が赤ちゃんにお乳をあげるのでしょう?
もうひとつは、病院に対する影響です。
うちの産科病棟の隣にはNICUもあり、小さな赤ちゃんたちが呼吸器つけて頑張っています。
そんなうちの産科病棟でインフルエンザが蔓延してしまったら・・・。
最悪の事態も考えられます。
ワクチンを受けてもインフルエンザにかかる人はいます。
それは仕方がありません。
ワクチンそのもので深刻な副作用が出ることもあります。
しかし、個人的な好みでワクチンを受けずに、たまたま入院中にインフルエンザが発症したとしたら、その代償は意外と大きなものになるかもしれません。
予想できない分、悩みます。
現状では、妊婦さんからワクチンを打ったほうがいいかと訊かれたら、こう答えるしかありません。
「できたら、全員受けて欲しいと思っています」
そして、うがい、手洗い、部屋の十分な換気、なによりも十分な体力の温存(疲れすぎない)が大切なことはいうまでもありません。
haru先生の言葉は心が軽くなる魔法みたいだなといつも思っていますが
今日改めてその思いを強くしました。
全員受けて欲しいと思っています、と言われたら安心して、
受ける、という選択を出来ると思います。
医療従事者の友人が変に不安を煽れないし説明が難しい、
とぼやいていたので、こんな言い方どう?ってお知らせして構いませんか?
by 大阪のオバチャン (2009-11-06 11:29)
我が家は、今年は全員で季節性のインフルエンザの予防接種を受けました。
今日は、ムスコの2回目の接種をしてきました。
新型について聞いてみたところ、基礎疾患がないと、
早くても年末になりそうとのこと。
副反応とかが怖くて、接種するかどうか悩んでいましたが、
今日相談してみると、国産のワクチンであれば、
季節性のものと変わらないから、打っておいた方がいいと言われ、
予約が取れれば接種しようと決めました。
患者にとっては、お医者さんの一言で、
安心したり不安になったりするものです。
自信を持って、「受けたほうがいい」って言っていただけると、
本当に安心します。
もちろん、打つ時のリスクの説明も必要なのでしょうが。
少しでも、多くの妊婦さんが効果を納得して接種してくれるといいですね。
by りょお (2009-11-06 14:59)
大阪のオバチャンさん、コメントありがとうございます。
今回のインフルエンザで、マスコミがすでに十分すぎるくらい不安を煽ってくれています。
ワクチンに対しても、防腐剤が入ってるだのなんだのと不安を煽る情報をたくさん流しています。
ならば、ボクたち医療者のするべきことは、その不安を取り除くことから始めなければなりません。
それにはいろんな言葉が必要ですし、この言葉も選択肢の一つであっていいと思います。
by haru (2009-11-06 17:08)
りょおさん、コメントありがとうございます。
ワクチンは受けたほうがいいのですが、現状では十分な量がなかなか手に入らないようです。そうすると、どうしても言葉の言い回しが弱くなるのです。
ただ、ワクチンはこれから生まれてくる赤ちゃんや生まれたての赤ちゃんを守ってくれると信じています。
自分の赤ちゃんだけでなくて、一緒に入院している、ほかの赤ちゃんも守るという意義も大きいのではないかと感じます。
その考えでいうなら、全ての妊婦に対するワクチンは無料にすべきなのでしょう。
by haru (2009-11-06 17:20)
先生、いつもお疲れ様です!新型のワクチン待ち遠しいです!私が住んでいるところは沖縄で、新型が大流行してるので、スーパーに買い物に行くのも怖いです…。息子がまだ生後3ヶ月でワクチンが打てないので、主人と私の二人、早くワクチンを打ちたいと、総理が変わる前から待ち続けてます。ニュースを見ていると、本当にこわくなっちゃいますねぇ。
by のん (2009-11-07 03:54)
のんさん、コメントありがとうございます。
ほんとに怖いですね。
スーパーに買い物に行く程度なら、マスクして、そのあと、うがいと手洗いを十分にすれば大丈夫だそうです。
締め切った空間で、感染者と一緒にいるのが良くないのです。
部屋も、1時間に5、6回空気を入れ替えるのでいいそうです。
結構大変ですが、これから少し寒くなるのでずっと窓を開けておくよりはいいかもしれません。
これで、かかってしまったら、仕方がないですね。
by haru (2009-11-07 08:05)
私も妊娠中はワクチンを打たないほうがいいと思っていました。
なので、3度の妊娠中にワクチン接種した事はありません。
たぶん、赤ちゃんへ影響がないということがあまり知られてないと思います。主治医から勧められたら接種していましたね。
私の近所の妊婦さんは、新型ワクチンはもう接種できないんじゃないかと、最初から諦めていました。実際、妊婦さんの分って確保できているのでしょうか?
経済的に余裕がなくて、接種したくてもできない人もいるんですね。出産・子育てでの出費を考えると、確かに大変だろうなと思います。
by kana (2009-11-07 12:47)
私も1人目の妊娠中はワクチンをうってもいい、ということが知らされていなくてドキドキしながら冬を越しました。
でも2人目はワクチンをむしろ推奨している、みたいな感じだったので医者に聞いたら、産婦人科だったら受けられる、ということだったので受けました。
子どもには自然に免疫をつけるとかで予防接種を受けない人もいまだに存在するようですが、はたしてそうなのかな、と疑問に思う一人です。
妊娠中にインフルエンザのワクチンを接種すると赤ちゃんにも免疫がある程度備わるという新聞も読みました。早く妊婦さんへの接種が始まってほしいですね。
by ちばおハム (2009-11-07 14:55)
kanaさん、コメントありがとうございます。
妊婦を扱っている医療機関なら、新型インフルエンザのワクチンを取り扱えることになっています。妊婦さんの分は確保できるはずです。少なくとも京都では。
入ってくる時期がなかなか決まらなくて歯がゆいですが、諦めなくてもいいと思います。
by haru (2009-11-08 17:54)
ちばおハムさん、コメントありがとうございます。
ワクチンの仕組みは、発症させずに弱毒化したウィルスに感染させる、というものなのですが、抗体価でいうと、ワクチンに比べて実際にウィルスに感染するほうが圧倒的に多量の抗体が体の中にできます。
だから、ワクチンの効果は永久的ではないのも抗体価があまり高くならないせいです。
少し抗体価が弱りかけてきた頃に、実際に感染すると、症状はほとんどないまま、抗体価がぐんと増えてきます。ワクチンを打った人の症状が軽くて済むのは、こういうことが体の中で起こっています。
つまり、2回ワクチンを打つと効果が高くなるのはこの原理ですね。
インフルエンザだけじゃなくて、子供にはいろんなワクチンが必要です。
親の先入観で、全てのワクチンを拒否することは賢明とは思えません。
逆に、インフルエンザくらいなら、タミフルもあることだし・・って、ワクチンを受けなくてもよいのかもしれません。(←妊婦さんついてではないです)
by haru (2009-11-08 18:06)
まさに今、私もインフルのことで悩んでいますよ^^!
11か月の子供を持つ友人が「久しぶりに仲間で遊びに行きたい!」
と連絡してきたのですが、ワクチンも打っていない赤ちゃんを電車に乗せて
連れまわすことに、私は賛成できません。
でも、こういうことって、それぞれの家庭での考えがあるんでしょうし
私が口を突っ込むことじゃないのかなぁ・・と思います。
メールの返事に困り、立ち尽くす冬です。
by うそっきー (2009-11-09 19:08)
ホント、毎日、毎日、新型インフルエンザ情報に踊らされてますよね・・・。
妊婦の間は自分が打てばある程度のリスク回避が出来ましたが、産んでしまうと、新生児まで新型インフルエンザにかかる可能性を考えなければいけなくなってしまいました。
もちろん、自分と新生児は外出しませんが、お姉ちゃんとパパはどこでもらってくるかわかりませんからね・・・。
あぁ・・・いつまで続くんでしょうね・・・。
by づみさん (2009-11-11 08:34)
うそっきーさん、コメントありがとうございます。
もともとインフルエンザ以外にもいろんな感染症が蔓延しています。
ノロウィルスとかマイコプラズマとか。
十分な抵抗力のない小さな子供を連れまわすのはよくないでしょうね。
現在、新型インフルエンザは、「警報」段階に入っています。(少なくとも京都では)
これはどこにいても感染の機会があるということです。
インフルエンザの流行をきっかけに、いろんな感染症の予防について考えるべきなのでしょう。
by haru (2009-11-12 13:06)
づみさん、コメントありがとうございます。
理論的には、もう数カ月したら、大体の人が感染して、いわゆる大流行はしなくなるはずです。
でも、それがいつになるかはわかりません。
死亡者が出ていることは大問題ですが、効く薬があるのが救いです。
by haru (2009-11-12 13:09)
初めまして。
昨日、新型インフルエンザの予防接種が、胎児に直接の影響がないかを調べていて、このブログを知りました。
予防接種は、胎児に影響がありそうで受けないつもりだったけど、いろんな見方を知り、考えが変わりました。
とても参考になりましたし、主人に話したら、主人も考えが変わってきたようでした。
私は、原因不明で(前までは胎盤早期剥離って言われてたんだけど)、一人目を重度仮死で産み、赤ちゃんだけ転院、そして13時間後に、亡くしてしまいました。
そういう経緯があって、現在妊娠16週で、とにかく赤ちゃんを元気に産みたいと、今は必死でして。
私の場合、とりあえず、産まれるまでは、気が抜けなくて(皆様、そうですけど)。
良いお産になるか心配だけど、こんな素敵な先生がいて、頑張ってる産婦人科医がいるって思ったら、私も負けてられないって思いました。
京都にいたら、先生にお願いしたかったな。
お体大切になさってください。お子様も、先生のようなあたたかい先生になっていくのが楽しみです。
元気付けられました。
ありがとうございました。
長々すみません。
by ぽんぽ (2009-11-13 12:48)
ぽんぽさん、コメントありがとうございます。
とにかく、無事に産声を聞くまでは心配で心配でたまらないと思います。
すべての妊婦さんが(ご主人も含めて)、同じように心配されていると思います。
しかし、それ以上に、新しい家族に出会える楽しみもあります。
つらいことはそう何度もおこらないはずです。
主治医の先生も言葉に出されているかわかりませんが、気を引き締めておられるはずです。
くれぐれも無理せず、大事にしてください。
by haru (2009-11-15 06:26)