帝王切開を迷った [分娩]
安易に帝王切開するものではない。
ボクはいつもそう思っています。
妊娠期間中から、あるいは分娩開始してから、
合併症やトラブルが起こると、
帝王切開をすることになりますが、
けっして安易に帝王切開はしません。
先月、胎児の発育が悪い妊婦さんがいて、羊水も少なくなってきたため、
主治医のドクターは慎重に管理していました。
陣痛のため入院していると、胎児心拍モニターで遅発性一過性徐脈が出現しました。
子宮口は開大しておらず、陣痛はまだそれほど強くなっていません。
体位変換し、酸素吸入をしても、やはり繰り返し出現します。
「先生、帝王切開でいいですよね。」
「もちろん、迷うことないんちゃう?」
モニターの解釈にはそれなりの経験も必要でしょうが、
この波形は迷いません。
ただちに緊急帝王切開を行いました。
赤ちゃんが生まれてみると、臍帯に真結節がありました。
それ以外の原因は見当たりませんでした。
臍帯真結節とは、文字通り、臍帯に結び目ができていることで、
臍帯が牽引されると血流が遮断されます。
もちろん、すべての臍帯真結節がこうなるとは限りませんが。
「やっぱり、徐脈の原因は真結節かな?」
なにはともあれ、生まれたベビーは元気でした。
小さめであったことには他に原因があったかもしれませんが、
徐脈の原因にはなったと思います。
帝王切開を行うことに迷いはありませんでしたが、
突然の胎児機能不全の原因は、確定的なものではなく、「多分」臍帯真結節だと考えました。
その後、しばらくして、久しぶりに帝王切開を迷うことがありました。
40歳を超える高年初産婦で、妊娠初期から軽度の高血圧症がありました。
かといって、薬で治療を要するほどではありませんでした。
妊娠中期のスクリーニングではぎりぎり妊娠糖尿病の診断となりました。
糖尿病内科での管理を受け、
血糖の自己測定と食事制限でなんとかうまくいっていたのですが、
妊娠37週に入り、すこしずつ血糖値が高くなり、
内科の主治医の先生からインスリンによる管理をほのめかされていました。
それでも、この方は、いつもにこにこと診察を受けにきて、
体重管理や食事療法もまじめに頑張っておられました。
きっと、かなり努力されていたと思います。
「いいお産をしてほしい。」
ボクはそう思っていました。
ところが、
妊娠30週あたりからずっと骨盤位(逆子)でした。
そして、胎児の発育は、どちらかというと正常上限を超えるくらい大きめでした。
妊娠35週の時点でも、やはり骨盤位で、すでに3000グラム近くありました。
「帝王切開の準備をしておきましょうね。」
「はい。そんな気がしてました。」
この方は、動じることなく、現状を理解されていました。
そして、妊娠36週の妊婦健診のとき、
胎児は骨盤位から頭位へと戻っていました。
「赤ちゃん、(頭位に)戻ってますね。」
胎児は少し大きめですが、この方ならきっといいお産ができるはず。
(いや、こういう人こそ、普通に経腟分娩して、自信をもって子育てしてほしい。)
ただ、来週診たら、また骨盤位になっていることもあるので、
すぐに手術をキャンセルしませんでした。
妊娠37週の健診でも、胎児は頭位のままでした。
推定体重は3300グラムありました。
羊水も少し多めです。
血圧や血糖はなんとかぎりぎり、といった様子。
内診すると、
児頭は全く骨盤に入ってきていませんでした。
子宮口も硬く、熟化していませんでした。
妊娠35週まで骨盤位だったので、当然といえば当然でしょう。
ただ、それにしても児頭の位置が高すぎます。
妊娠37週の、この時点で、この内診所見。
「さて、どうしたものか・・。」
本来なら、
もう少し様子を見て、陣痛が来なければ
子宮口を器械的に開大させる、頸管拡張から開始するのが一般的かもしれません。
しかしながら、そのあとの手がなさすぎます。
この方の血圧では、陣痛促進剤はリスクがあります。
児も結構大きいので、それなりに時間がかかりそうです。
それから先は、産婦人科医の経験や勘、といった部分になってきます。
手術をいったんキャンセルして、とことん経腟分娩にこだわってみるのも大切です。
この方が妊娠初期からいろいろ気を使って頑張ってきていることを理解しているだけに、余計に自然分娩をさせてあげたいと思います。
「いや、やっぱり(経腟では)生まれない。」
ボクは、内診してみて、どうしても経腟分娩が成功しにくいと思いました。
かといって、「決め手」はありません。
迷うところです。
そこで、理由を説明し、念のためにレントゲンで骨盤計測をしてみることにしました。
ある程度リスクがある状態で、安全に経腟分娩できるかを調べる目的です。
結果は、やはり、骨盤が狭かったのです。
小さめの赤ちゃんなら通過できるかもしれませんが、この方の赤ちゃんは少し大きすぎるようでした。
無理したら、経腟分娩は可能かもしれませんが、その「無理」をしたくありませんでした。
診察所見や検査所見、母体の全身状態、胎児の状態、すべてをこの方とご家族に説明し、
情報の一つずつは、どれをとっても帝王切開の決定的な決め手にはならないものの、
いくつもの条件が重なっていくことで、
安全に出産を終了するためには帝王切開が安全ではないかをという方針を提示しました。
もちろん、十分に理解していただき、ボクは妊娠38週に、帝王切開を行うことにしました。
帝王切開をする直前まで、心のどこかで、
自然に陣痛が始まって、つるりんと生まれてくれないかと思っていましたが、
赤ちゃんはあまり生まれたくないようで、骨盤の上の方で、プカプカと浮かんでいました。
結局、帝王切開をして、ベビーを抱き上げてみると、
なんと、臍帯に真結節がありました。
臍帯真結節がある状態で、もしボクが誘発でもしていたら、
もしかすると、先にあった緊急帝王切開になった方のように、
やはり、胎児徐脈が出現して、同じようになっていたかもしれません。
次々と判断することが要求される周産期医療の中で、
また、大病院で若い産婦人科医たちを指導する立場として
久しぶりに感じた「迷い」でした。
ただ、こうした「迷い」は、
もしかしたら、すごく大切な気持ちなのかもしれません。
自然なお産、安全なお産、自分らしいお産・・・、
よいお産を表現する言葉はたくさんありますが、
産婦人科医としてボクが常々想うのは、
「母児ともに、健康なお産」なのです。
ボクはいつもそう思っています。
妊娠期間中から、あるいは分娩開始してから、
合併症やトラブルが起こると、
帝王切開をすることになりますが、
けっして安易に帝王切開はしません。
先月、胎児の発育が悪い妊婦さんがいて、羊水も少なくなってきたため、
主治医のドクターは慎重に管理していました。
陣痛のため入院していると、胎児心拍モニターで遅発性一過性徐脈が出現しました。
子宮口は開大しておらず、陣痛はまだそれほど強くなっていません。
体位変換し、酸素吸入をしても、やはり繰り返し出現します。
「先生、帝王切開でいいですよね。」
「もちろん、迷うことないんちゃう?」
モニターの解釈にはそれなりの経験も必要でしょうが、
この波形は迷いません。
ただちに緊急帝王切開を行いました。
赤ちゃんが生まれてみると、臍帯に真結節がありました。
それ以外の原因は見当たりませんでした。
臍帯真結節とは、文字通り、臍帯に結び目ができていることで、
臍帯が牽引されると血流が遮断されます。
もちろん、すべての臍帯真結節がこうなるとは限りませんが。
「やっぱり、徐脈の原因は真結節かな?」
なにはともあれ、生まれたベビーは元気でした。
小さめであったことには他に原因があったかもしれませんが、
徐脈の原因にはなったと思います。
帝王切開を行うことに迷いはありませんでしたが、
突然の胎児機能不全の原因は、確定的なものではなく、「多分」臍帯真結節だと考えました。
その後、しばらくして、久しぶりに帝王切開を迷うことがありました。
40歳を超える高年初産婦で、妊娠初期から軽度の高血圧症がありました。
かといって、薬で治療を要するほどではありませんでした。
妊娠中期のスクリーニングではぎりぎり妊娠糖尿病の診断となりました。
糖尿病内科での管理を受け、
血糖の自己測定と食事制限でなんとかうまくいっていたのですが、
妊娠37週に入り、すこしずつ血糖値が高くなり、
内科の主治医の先生からインスリンによる管理をほのめかされていました。
それでも、この方は、いつもにこにこと診察を受けにきて、
体重管理や食事療法もまじめに頑張っておられました。
きっと、かなり努力されていたと思います。
「いいお産をしてほしい。」
ボクはそう思っていました。
ところが、
妊娠30週あたりからずっと骨盤位(逆子)でした。
そして、胎児の発育は、どちらかというと正常上限を超えるくらい大きめでした。
妊娠35週の時点でも、やはり骨盤位で、すでに3000グラム近くありました。
「帝王切開の準備をしておきましょうね。」
「はい。そんな気がしてました。」
この方は、動じることなく、現状を理解されていました。
そして、妊娠36週の妊婦健診のとき、
胎児は骨盤位から頭位へと戻っていました。
「赤ちゃん、(頭位に)戻ってますね。」
胎児は少し大きめですが、この方ならきっといいお産ができるはず。
(いや、こういう人こそ、普通に経腟分娩して、自信をもって子育てしてほしい。)
ただ、来週診たら、また骨盤位になっていることもあるので、
すぐに手術をキャンセルしませんでした。
妊娠37週の健診でも、胎児は頭位のままでした。
推定体重は3300グラムありました。
羊水も少し多めです。
血圧や血糖はなんとかぎりぎり、といった様子。
内診すると、
児頭は全く骨盤に入ってきていませんでした。
子宮口も硬く、熟化していませんでした。
妊娠35週まで骨盤位だったので、当然といえば当然でしょう。
ただ、それにしても児頭の位置が高すぎます。
妊娠37週の、この時点で、この内診所見。
「さて、どうしたものか・・。」
本来なら、
もう少し様子を見て、陣痛が来なければ
子宮口を器械的に開大させる、頸管拡張から開始するのが一般的かもしれません。
しかしながら、そのあとの手がなさすぎます。
この方の血圧では、陣痛促進剤はリスクがあります。
児も結構大きいので、それなりに時間がかかりそうです。
それから先は、産婦人科医の経験や勘、といった部分になってきます。
手術をいったんキャンセルして、とことん経腟分娩にこだわってみるのも大切です。
この方が妊娠初期からいろいろ気を使って頑張ってきていることを理解しているだけに、余計に自然分娩をさせてあげたいと思います。
「いや、やっぱり(経腟では)生まれない。」
ボクは、内診してみて、どうしても経腟分娩が成功しにくいと思いました。
かといって、「決め手」はありません。
迷うところです。
そこで、理由を説明し、念のためにレントゲンで骨盤計測をしてみることにしました。
ある程度リスクがある状態で、安全に経腟分娩できるかを調べる目的です。
結果は、やはり、骨盤が狭かったのです。
小さめの赤ちゃんなら通過できるかもしれませんが、この方の赤ちゃんは少し大きすぎるようでした。
無理したら、経腟分娩は可能かもしれませんが、その「無理」をしたくありませんでした。
診察所見や検査所見、母体の全身状態、胎児の状態、すべてをこの方とご家族に説明し、
情報の一つずつは、どれをとっても帝王切開の決定的な決め手にはならないものの、
いくつもの条件が重なっていくことで、
安全に出産を終了するためには帝王切開が安全ではないかをという方針を提示しました。
もちろん、十分に理解していただき、ボクは妊娠38週に、帝王切開を行うことにしました。
帝王切開をする直前まで、心のどこかで、
自然に陣痛が始まって、つるりんと生まれてくれないかと思っていましたが、
赤ちゃんはあまり生まれたくないようで、骨盤の上の方で、プカプカと浮かんでいました。
結局、帝王切開をして、ベビーを抱き上げてみると、
なんと、臍帯に真結節がありました。
臍帯真結節がある状態で、もしボクが誘発でもしていたら、
もしかすると、先にあった緊急帝王切開になった方のように、
やはり、胎児徐脈が出現して、同じようになっていたかもしれません。
次々と判断することが要求される周産期医療の中で、
また、大病院で若い産婦人科医たちを指導する立場として
久しぶりに感じた「迷い」でした。
ただ、こうした「迷い」は、
もしかしたら、すごく大切な気持ちなのかもしれません。
自然なお産、安全なお産、自分らしいお産・・・、
よいお産を表現する言葉はたくさんありますが、
産婦人科医としてボクが常々想うのは、
「母児ともに、健康なお産」なのです。
こんにちは。
昨日NHKの番組で天皇陛下のバイパス手術をされた心臓外科医の天野医師が取り上げられていました。
「迷い」の中、状況に応じた判断を下すスピードに驚きましたが、経験を積み重ねてこられたからこそ出来るものなのでしょう。
haru先生のこのブログを思い出しました。
by nana (2012-05-15 09:19)
いつもながら専門医としての適切な判断をblogで紹介してくださりありがとうございます。
haruさんはお医者様なので、客観的にすべてのデータを解析され、さらに感情面まで振り返りをされているのがよくわかります。
こんなお医者様(たくさんおられるのでしょうが)に命を託すのなら安心ですね。
by ちばおハム (2012-05-15 15:40)
nanaさん、コメントありがとうございます。
たしかに、経験を積み重ねることでしか体得できない判断力の違いはスピードだと思います。
判断の内容は、経験が浅くても、しっかり勉強することでカバーできるでしょう。判断の正確さもしかりです。しかしながら、その判断を下すスピードは、経験やトレーニングによるところが大きいかもしれません。
手術も同様で、「迷い」のないタッチで進んでいくと、結果として流れるように終わっていき、短い時間で終了します。
一つ一つの操作のスピードは変わらなくても、迷いのない手術は早くしているように見えます。
by haru (2012-05-17 22:10)
ちばおハムさん、コメントありがとうございます。
実際の医療現場で、いくつもの問題がある場合、そこで何を最優先すべきか?といった判断を下すことは実際には難しいですね。
経験を重ねることで、つい、ものごとをパターン化してしまうこともあります。医療をパターン化した時点で、判断力は鈍ってしまうでしょうね。
経験が豊富、は危険であることもあると思います。
by haru (2012-05-17 22:22)
はじめまして。「帝王切開」を検索中このブログにたどり着きました。
私が通っていた産院は帝王切開率が異常に多い病院でした。それに気づいたのは長い切迫入院中でした。
私は院長に自然分娩したいと何度も訴えましたが、結局叶いませんでした。
3ヶ月入院して自然分娩したのはたった一人。その一人がよく自然分娩できたと思うほどです。
大抵の理由は胎児の頻脈です。ほとんど陣痛がくる前に手術されています。
手術の後、医師には「自然分娩したいという気持ちが理解できない」と言われました。「障害児を育てる覚悟があったの?」とまで言われました。
決定的な納得できる理由があれば帝王切開でもよかったんです。でも次々手術されていくのを目の当たりにして、必要のない帝王切開だったのではという疑念が消えません。
陣痛すら経験できなかったことがとても悔しいです。産後直後は傷の痛みよりも感情をコントロールする方が大変でした。
愛する我が子が誕生して嬉しいはずなのに、泣いてばかりの自分がいました。
とても厳しいですが評判はいい病院です。しかし最後に裏切られたという思いでいっぱいです。こんな悲しい思いをする人が減ることを祈っています。
長文失礼しました。
by うさぎ (2013-09-02 06:47)
うさぎさん、コメントありがとうございます。
帝王切開を行うかどうかについては、純粋な医学的理由以外に、小児科医がいるか、なども考慮されます。
たとえば、、いつでも小児科医が対応できる施設では、胎児の状況をギリギリまでみながらお産をすることができるし、小児科医のサポートが期待できない施設は、早めに帝王切開を決定します。
結果として、前者のほうでは、仮死で産まれる赤ちゃんが多くなるのかも知れません。
また、「評判はいい」病院が、だれの評判がいいのか、なにで評判がいいのか、わかりにくいですね。
大切なのは、十分に説明を受けて、それ(帝王切開などの治療)にどれだけ納得できるかと言うことかも知れませんね。
by haru (2013-09-13 13:14)
私は自然分娩できたのでしょうか。
41w0dの時点で赤ちゃんが元気だったので、41w6dまで自然に陣痛がくるのを待とうと先生が仰り、ちょうど41w6dの朝方に陣痛がきました。
夕方には陣痛も強くなり、朝方5時にやっと子宮口7cm。しかしなかなかおりてこず、私の痛みも限界でした。
促進剤が必要と助産師さんに言われましたが、先生がくる9時まではうてないとのこと。
痛がってるわりには全然おりてきてないからまだまだと言われ、心がおれてしまいました。
9時に先生がきて、促進剤をすすめられましたが、自分から帝王切開を希望しました。
前日のエコーの際、羊水が減ってきていたこと、全然おりてきていないので促進剤をうっても時間がかかる可能性が高いとのことで、帝王切開となりました。
開腹してみると、へその緒が首に二重、羊水もドロドロだったようで、促進剤をうっていたら心音が下がっていたかもしれないと。帝王切開で良かったと言われました。
ただ、その後ネットで調べるとへその緒が首にまかれているのはよくあることで、自然分娩できると見てしまい、
あの時痛みに耐えて促進剤をうっていたら自然分娩できたのかな、とか、
41w6dまで待たずもっと早く促進剤で陣痛を起こしていれば羊水の状態も良く自然分娩できたのかなと考えてしまいます。
元々は帝王切開への偏見は全くなかったのですが、
子宮破裂や癒着等のリスクを後から知り、
自然分娩だったら次の妊娠についてこんな不安な気持ちを抱えずにすんだのかなと考えてしまいます。
せっかく赤ちゃんが陣痛を起こしてくれたのに、私が耐えられなかったせいで帝王切開になってしまったと申し訳ない気持ちにもなります。
私があの時痛みに耐えていれば自然分娩できたのでしょうか。
by ハルト (2016-05-18 00:10)
帝王切開を安易にしてはいけないのはなぜですか?
寿命が縮まったり後遺症など産後に何か母子に影響があるのでしょうか。
帝王切開で出産になってしまいました。
by めだか (2016-05-27 15:32)
ハルトさん、コメントありがとうございます。
お産は、本当にひとそれぞれです。
41週まで陣痛が来なかったこと自体、すでに何かの原因があったのかもしれません。
あるいは、促進もせず、あと数日待っていれば、自然に生まれたかもしれません。
正解はないのに、結果が求められるのです。
おそらく、促進して、胎児心拍モニターで、胎児機能不全(胎児のストレスや低酸素状態)徴候が出てくれば、誰もが納得?する帝王切開になったことでしょう。
それが医学的には正しいかもしれませんが、果たして、望ましい医療なのでしょうか?
臍帯が首に巻きついていること自体、帝王切開の理由にはなりませんが、それが胎児機能不全や分娩停止の原因になる可能性はあります。
お産の結果を省みて、あの時どうしていたら、結果はこうなったかも?と考えるのではなくて、あの時こうだったからこそ、この選択をした、という「流れ」を思い出してほしいです。
ひとつひとつのお産には、大切な物語があります。
元気な赤ちゃんを頑張って産むことができた、あなただけの物語を、子供が大きくなった時に自信をもって話してあげてほしいです。
by haru (2016-05-29 17:23)
めだかさん、コメントありがとうございます。
帝王切開を安易にしない理由は、いくつかあります。
手術そのものの、母体へのリスクです。
出血や感染、次の妊娠のときにおこるいくつかのトラブルの危険性の増加などがあります。
次の妊娠で、前置胎盤から癒着胎盤になってしまうと、寿命も縮まる可能性があります。だらだらと出血が続く、後遺症も、残念ながらあります。
ただ、何よりも、それらを恐れるあまりに、おなかの赤ちゃんを犠牲にして、経腟分娩にこだわりすぎるわけにもいきません。
心配されていることも、ちゃんとすれば、何とかなります。
by haru (2016-05-29 17:29)