帝王切開の意味を考えた [分娩]
5年前のある夜のこと、病院から電話がありました。
分娩進行中の妊婦さんが破水直後に子宮口全開大となり、
とのときに、「顔位」になったようだ、と。
「が、顔位??」
顔位とは、反屈位のひとつでいわゆる回旋異常です。
教科書的には分娩進行に問題なければ経腟分娩も可能なのですが、
ボク自身初めての経験でした。
反屈位で分娩したことで、思わぬ神経障害がないとも言えませんでした。
「よく診断できたね。」
夜勤をしていた助産師が、昔1例だけ経験があって、
破水してすぐに内診で様子がおかしいと思い、当直医に連絡したのです。
当直医も初めてだったので、超音波などで「顔位」の診断をしたのです。
結局、分娩の進行はなく、夜中のうちに帝王切開を行い、
無事に元気な女の子が生まれました。
顔が先進していたので、生まれたときは、びっくりするくらいむくんでおり、
ちょっとだけ心配しましたが、
日を追うごとに顔はすっきりとしてきて、
退院するころには、お母さんとお父さんをちょうど足して2で割った、
きれいな、かわいい赤ちゃんでした。
忘れもしない、緊急帝王切開の一つになりました。
そして、この方が再び妊娠され、お産することになりました。
妊娠経過も順調で、
妊婦健診には、緊急帝王切開で生まれた女の子も連れてこられることもありました。
「こんにちは。 赤ちゃん、楽しみ?」
健診に来た時に、ボクが尋ねると、恥ずかしそうに、うなづくだけです。
「あなたが生まれるとき、お母さんも先生も頑張ったんやで。 覚えてる?」
やはり、恥ずかしそうにうなづくだけです。
「わはは。」
うちの病院ではVBACを行っていないので、
今回のお産は、帝王切開です。
手術の前日にこの方の部屋を訪ねました。
「緊張してますか?」
「はい、少し。」
「前回のお産が緊急帝王切開で、バタバタとなってしまって、まだ十分に納得できていない部分があるんじゃないですか?」
「はい・・・・。」
ボクもこの方が今回の妊娠をされてから、「この人の『お産』ってなんだろう?」と、
ずっと考えていました。
妊娠経過は順調で、分娩経過も順調で、
破水した瞬間に突然、反屈位になり、帝王切開です。
おそらく、頭では理解できても、気持ちは全くついてこなかったでしょう。
そして、今回も全く妊娠経過に異常ありませんでした。
ボクが、VBACを行えば少しは癒される部分はあるのでしょうが、
やはり、うちの病院の規模では、VBACはせず、
予定帝王切開を選択するべきでしょう。
この方は医療関係者で、そのあたりの危険性も十分に理解されていました。
「帝王切開も、立派なお産です。 頑張っていきましょう。」
なんとなく、不安げな、この方の表情を見て、こう声をかけるしかありませんでした。
そして、当日。
帝王切開が始まり、順調に進んでいきます。
そして、元気は赤ちゃんが顔をだし、
子宮から赤ちゃんを取り出そうとした時、
臍帯が赤ちゃんの首に3回と脚に1回、巻き付いていました。
帝王切開だから、それが大きな妨げになることもなく、
その後も順調に手術は進み、予定通り、終了しました。
母児ともに健康で、ボクはホッと胸を撫でおろしました。
あとからのこじつけかもしれませんが、
ボクはのこの方のお産について、もう一度考えてみました。
もしも、一人目が帝王切開でなくて、今回、経腟分娩だったとしても、
臍帯巻絡が原因で、分娩進行が停止して、やはり、緊急帝王切開になったかもしれない、と。
もし、そう考えるとしたら、前回の緊急帝王切開は、お姉ちゃんが妹を守るため、
自らの身を挺して、帝王切開で生まれてきた・・・・。
そうだとしたら、この二つの帝王切開が、
少なくともボクの中でつながりました。
もちろん、二人とも、経腟分娩で生まれることができたのかもしれない。
ボクが行った医療行為は、いくつかある選択肢の中で、
必ずしも模範解答であったとは限りません。
医療には、いつも「正解」があるとは限りません。
もしかしたら「正解」なんてひとつもないかもしれない、と思うこともあります。
ただ、かけがえのない命を前に、
自分が行った医療行為を振り返り、
その「意味」について考えることは必要ではないでしょうか?
決して、独りよがりではなく、謙虚に想うことが必要です。
ボクは、今回、二つの帝王切開を想い、
きっと、いつか、この帝王切開の意味を再び考える時が来るはずだと感じています。
一つ一つの命の、圧倒的な重さを感じながら、
今日も、頑張ります。
分娩進行中の妊婦さんが破水直後に子宮口全開大となり、
とのときに、「顔位」になったようだ、と。
「が、顔位??」
顔位とは、反屈位のひとつでいわゆる回旋異常です。
教科書的には分娩進行に問題なければ経腟分娩も可能なのですが、
ボク自身初めての経験でした。
反屈位で分娩したことで、思わぬ神経障害がないとも言えませんでした。
「よく診断できたね。」
夜勤をしていた助産師が、昔1例だけ経験があって、
破水してすぐに内診で様子がおかしいと思い、当直医に連絡したのです。
当直医も初めてだったので、超音波などで「顔位」の診断をしたのです。
結局、分娩の進行はなく、夜中のうちに帝王切開を行い、
無事に元気な女の子が生まれました。
顔が先進していたので、生まれたときは、びっくりするくらいむくんでおり、
ちょっとだけ心配しましたが、
日を追うごとに顔はすっきりとしてきて、
退院するころには、お母さんとお父さんをちょうど足して2で割った、
きれいな、かわいい赤ちゃんでした。
忘れもしない、緊急帝王切開の一つになりました。
そして、この方が再び妊娠され、お産することになりました。
妊娠経過も順調で、
妊婦健診には、緊急帝王切開で生まれた女の子も連れてこられることもありました。
「こんにちは。 赤ちゃん、楽しみ?」
健診に来た時に、ボクが尋ねると、恥ずかしそうに、うなづくだけです。
「あなたが生まれるとき、お母さんも先生も頑張ったんやで。 覚えてる?」
やはり、恥ずかしそうにうなづくだけです。
「わはは。」
うちの病院ではVBACを行っていないので、
今回のお産は、帝王切開です。
手術の前日にこの方の部屋を訪ねました。
「緊張してますか?」
「はい、少し。」
「前回のお産が緊急帝王切開で、バタバタとなってしまって、まだ十分に納得できていない部分があるんじゃないですか?」
「はい・・・・。」
ボクもこの方が今回の妊娠をされてから、「この人の『お産』ってなんだろう?」と、
ずっと考えていました。
妊娠経過は順調で、分娩経過も順調で、
破水した瞬間に突然、反屈位になり、帝王切開です。
おそらく、頭では理解できても、気持ちは全くついてこなかったでしょう。
そして、今回も全く妊娠経過に異常ありませんでした。
ボクが、VBACを行えば少しは癒される部分はあるのでしょうが、
やはり、うちの病院の規模では、VBACはせず、
予定帝王切開を選択するべきでしょう。
この方は医療関係者で、そのあたりの危険性も十分に理解されていました。
「帝王切開も、立派なお産です。 頑張っていきましょう。」
なんとなく、不安げな、この方の表情を見て、こう声をかけるしかありませんでした。
そして、当日。
帝王切開が始まり、順調に進んでいきます。
そして、元気は赤ちゃんが顔をだし、
子宮から赤ちゃんを取り出そうとした時、
臍帯が赤ちゃんの首に3回と脚に1回、巻き付いていました。
帝王切開だから、それが大きな妨げになることもなく、
その後も順調に手術は進み、予定通り、終了しました。
母児ともに健康で、ボクはホッと胸を撫でおろしました。
あとからのこじつけかもしれませんが、
ボクはのこの方のお産について、もう一度考えてみました。
もしも、一人目が帝王切開でなくて、今回、経腟分娩だったとしても、
臍帯巻絡が原因で、分娩進行が停止して、やはり、緊急帝王切開になったかもしれない、と。
もし、そう考えるとしたら、前回の緊急帝王切開は、お姉ちゃんが妹を守るため、
自らの身を挺して、帝王切開で生まれてきた・・・・。
そうだとしたら、この二つの帝王切開が、
少なくともボクの中でつながりました。
もちろん、二人とも、経腟分娩で生まれることができたのかもしれない。
ボクが行った医療行為は、いくつかある選択肢の中で、
必ずしも模範解答であったとは限りません。
医療には、いつも「正解」があるとは限りません。
もしかしたら「正解」なんてひとつもないかもしれない、と思うこともあります。
ただ、かけがえのない命を前に、
自分が行った医療行為を振り返り、
その「意味」について考えることは必要ではないでしょうか?
決して、独りよがりではなく、謙虚に想うことが必要です。
ボクは、今回、二つの帝王切開を想い、
きっと、いつか、この帝王切開の意味を再び考える時が来るはずだと感じています。
一つ一つの命の、圧倒的な重さを感じながら、
今日も、頑張ります。
何だか泣けてしまいました。
3人帝王切開で産みました。
このお母さんに「お姉ちゃんが妹を守るため」のくだりお伝えくださったでしょうか。
先生からその意見を聞いたら、心が軽くなる。
もし、私だったら。
うまく表現できませんが、この記事ありがとうございました。
by 紅天狗茸 (2011-05-31 12:21)
私も3回臍帯を首に巻いて生まれてきた派(?)です。
やっぱり帝王切開になりました。
だから母は私の分娩がとっても心配だったみたい。
生まれてくるときから、人はみんな個性的です。
by ちばおハム (2011-05-31 13:56)
はじめてコメントさせて頂きます。
私は現在妊娠36週の経産婦です。
上に男の子が1人おります。
予定日が近づいて来る中で、
いろいろと不安はつのるばかりです。
1人目は、回旋異常でしたが、
ギリギリに体制が直り経膣分娩で何とか産めたお産でした。
先生のブログを拝見し、
先生方をはじめ、助産師さんたちの思いを知ることができ、
嬉しく感じることばかりです。
私の主治医の先生や助産師さんもとても熱心で親切で、
大変信頼しています。
それでもお産はやっぱり怖いなァと思ってしまいます。
分娩日まであと少しですが、
心をしずめて迎えられ、
素敵なお産ができたらいいなァと思います。
by mai (2011-05-31 19:51)
去年11月長男を出産しました。横位のため帝王切開当日さあこれからという時エコーをしたらもどってたんです。39週目でくるっと回った我が子に夫婦で放心状態でした(笑)
今考えると息子は帝王切開が怖かったのか・・それとももう少しお腹にいたかったのか。真実はわかりませんが、結局2週間後出産予定日ぴったりに普通分娩で出産。
周りからは帝王切開じゃなくて良かったねと言われましたが、今思い返すと出産方法なんて母子の命を考えればどちらでもいいと思いました。1年近くお腹で子どもを育てて、命がけで産むことには何も変わりないんですものね。
いつも最善の方法を考え提案してくださる現場の先生には本当に頭が下がります。
by hana (2011-06-01 00:15)
いつも拝見させていただいております。
妊婦だった間、こちらに来させていただき、随分と励みになりました。
私も娘を緊急帝王切開で生みました。
当時は、陣痛を経験しないで生んだことに引け目を感じたり、みじめに思ったりしたことがありました。
でも、今は母子共に無事出産を終えられたら、方法なんでどちらでもいいって思ってます。
子を望んでいても授からない人、生まれて来られなかった命だってたくさんあるんですから。
かくいう私も、この前流産を経験しました。
赤ちゃんが元気で、お母さんも無事なら、帝王切開だって立派なお産です!!
思うのですが、帝王切開を蔑視(←そこまで酷くはないとは思いますが)する傾向に問題があるのでは・・・。
どんな形であれ、出産って本当に素晴らしいことです。
その最前線におられる先生方には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
by sawa (2011-06-01 16:09)
こんにちは。
先生の文を読みながら、5年前に産んだ、長女が
まさにこの方と同じ体位でした。
私の場合は結局経膣分娩でしたが、その後は、体力も使い果たし、
出血も多くて大変でしたね。
その時々の現場の判断、ほんと大変ですよね。
でも赤ちゃんを安全に生み出すためにの判断ですから、
帝王切開もやもうえないんでしょうね。。。
私もあと10日あまりで、4人目を出産します。
今回もどんなお産になるか、毎日ドキドキしながら
陣痛を待つ日々を過ごしています。
by じゅりあ (2011-06-02 12:20)
紅天狗茸さん、コメントありがとうございます。
この方に、帝王切開の次の日、お部屋を訪ねた時にお話ししました。
たしかにホッとした様子で、ぽろぽろと涙を流しておられました。
次の朝は、晴れ晴れとした様子に見えたのは気のせいかもしれませんが。
とにかく、みんな元気でよかったです。
by haru (2011-06-04 22:44)
ちばおハムさん、コメントありがとうございます。
元気に産まれてきたからこそ、おへそが巻いていたことも、明るく話せるのでしょうね。
by haru (2011-06-04 22:49)
maiさん、コメントありがとうございます。
1人目のお産が大変だったら、なにかと心配も大きくなると思います。
1回1回のお産は、ひとりひとり違うかもしれませんが、
「案ずるより産むがやすし。」
何とかなると思います。
頑張ってください。
by haru (2011-06-04 22:52)
hanaさん、コメントありがとうございます。
時々あるんですね、直前で胎位が戻るのが。
よかった、よかった、って。
でも、帝王切開でも普通のお産でも、元気な赤ちゃんを産むための大切な過程なんです。
そして、そこに、きっとなにか意味があるはずだと思います。
by haru (2011-06-04 22:56)
sawaさん、コメントありがとうございます。
たしかに、帝王切開で産んだら、「負け」みたいな雰囲気があることは確かです。
まわりから、「頑張ったのに・・・・」なんて言われると、ますますへこんじゃうかもしれませんね。
頑張って帝王切開で産んだとしたら、しんどい思いや、怖い思いをたくさんしたわけだから、その分、褒めてもらってもいいと思います。
ただ、頭ではそう思っていても、次の妊娠の時、思い出していろいろと間がてしまうと思います。
元気な赤ちゃんの姿をみて、乗り越えていくしかないと思います。
by haru (2011-06-04 23:03)
じゅりあさん、コメントありがとうございます。
顔位でも、経腟分娩できたからこそ、5年で4人も産めるんでしょうね。
その時の判断に正解はなくても、そうやって順調に4回のお産をすること自体が、「大切な意味」になるのでしょうね。
by haru (2011-06-04 23:07)
先生のように、帝王切開も立派なお産とちゃんと言ってくださる方がたくさんになればいいなぁと思います。帝王切開も痛いし、頑張らないといけないものなんだよって。そう言ってもらえたら、心が楽になる人がたくさんいるだろうなあ(帝王切開は痛くなくて楽だという考え方が多数あるようで…)。
医学で解明できないようなつながりとか、分かってくれる先生だと、ほっとします。正解だったと思える理由って欲しくなりますからね。
とにかく、母子ともに無事で何よりです。
by ぽんぽ (2011-06-08 06:21)
こんにちは。いつも先生の真摯な記事を尊敬しながら拝読させていただいています。
私も1人め緊急帝王切開→二人め反復帝王切開でした。(VBAC希望でしたが、VBAC可能の病院がありませんでした。)
今回の記事では先生が一つ一つのお産の意味を考えていらっしゃることは患者としてはとてもありがたく、嬉しい事です。でもちょっと違和感があるんです。反復帝王切開は、VBACの危険性(子宮破裂)を避けるもので、今の時代は必然だったわけです。それを、終わったあとにこじつけの意味付けをするのは違和感があるんですよね。反復帝王切開を決断した時点でリスク回避という名目は十分です。
臍帯が巻き付いていたっていうのは、もし経膣分娩予定だったら、直前にエコーでわかっていただろうし、こんなに巻き付いているなら帝王切開にしましょうとなったかもしれません。
反復帝王切開して、子宮の厚さも十分で、赤ちゃんの頭も十分小さくてという自分は他に後付けの理屈がないんですよ。(もちろん、また分娩停止になったかもしれませんが。)だから、リスクについては常に前向きでいてほしいと思います。帝王切開になったには理由があるわけで、それは手術に入る前に決まる事で、あとで決めてはいけないです。
生意気なこと言ってすみません。大事な事は母子ともに無事で健康である事です。先生が患者さんを思っている姿は本当に尊敬しています。こんな意見もありますよという感じで流してください。
by hiro (2011-06-08 14:18)
はじめまして。
いつも先生のブログをいろいろ考えながら読んでいる、一児の母です。
最近、自然なお産が持て囃されすぎて、帝王切開したママたちが引け目を感じているようで、とても気になります。
昨年、妊娠中にマタニティビクスに通っていたときも、予定帝王切開が決まってビクスを卒業する人たちは、決まってすごく残念そうで、対する他の人たちも、決まって
「帝王切開だって立派なお産だよ」
と、慰めの言葉…
いいお産とか、立派なお産とかではなく、
"母子ともに無事で終えるお産"
が最高の結果だと思います。
避けられるリスクを敢えて避けないVBACは、産む側の都合を優先し、生まれる側を危険に晒すことに、何の意味があるのかな〜、と。
ベストの方法を選択し、無事に人間を二人、この世に送り出したことが先生のしたすべてなんじゃないでしょうか。
それでも、産婦さんの心情を慮ってしまうのが、先生が素敵なドクターである所以なんでしょうね。近隣の妊婦さんたちが羨ましいです!
by はちこ (2011-06-11 00:43)
ぽんぽさん、コメントありがとうござます。
実際に、前回のお産が帝王切開であったことで、引け目に感じたり「ダメなお産をした」と感じたりされる方がかなり多いように思います。
VBACを取り扱う病院をネットで調べるなど皆さんされているようです。
お産には、母児ともに健康である、という最終目標はあり、自然分娩はたしかに模範解答なのでしょう。
ただ、どんなお産でも、その一つ一つの命にとっては大切な「過程」であると信じています。
by haru (2011-06-19 11:55)
hiroさん、コメントありがとうございます。
ボクは、今回の帝王切開の意味を考えているのではありません。
前回、なぜあの赤ちゃんが突然顔位になり、緊急帝王切開になったのかを知りたかったのです。
いまだに答えは出ていませんが、こうやって一つ一つのお産の意味を振り返ることは、省略してはいけない過程であると信じています。
それに、付け加えると、VBACも、必ずしも必然だとは思っていません。
うちの病院では、規模や体制の理由で行っていないだけです。
しかしながら、もし、うちの病院でVBACを行っていたとしても、きっとボクはこの方のVBACはしなかったと思っています。
分娩途中で、急変した場合、この方を2度も緊急手術の怖さを体験させてしまうかもしれないからです。
もちろん、この方と十分に話し合ったうえで決めることなので、ボクの一存だけでしてはいけないのです。
by haru (2011-06-19 12:07)
はちこさん、コメントありがとうございます。
自分がイメージしていることと、実際が違うと、「喪失感」を感じるそうです。
お産にとっては、帝王切開になってしまうことは、ある意味、「喪失」と感じるのかもしれません。
結果的に自分も元気で、健康な赤ちゃんが生まれたとしても、その過程がイメージと違えば、「失った」と感じてしまうのです。
一度失ったものを取り戻すには大変だと思います。
もし、「その失ったもの」のかわりに何かを得ることができた、と思えたのなら救われるのかもしれません。
ただ単に、「失ったもの」という表現はさびしい気もします。
大切な命に感謝しつつ、その意味を考えていきたいです。
by haru (2011-06-19 12:19)
先生こんばんは。
お仕事、お疲れ様です。
私自身、最初から双子&高齢だったので帝王切開でお願いして、
切開予定日よりも早く陣痛が来てしまったため、
緊急帝王切開で出産しました。
経膣か切開か。
そんな事、どうでもよかった。
2人が無事健康に産声をあげてくれれば。
それしか頭にありませんでした。
いま2人は3歳。
私のお腹の傷を見て「これなぁに?」と聞くので、
「ここから、2人でピョーン!って出てきてんで。」
と教えています。
先生が仰るように、お姉ちゃんが身を挺して妹を守ったんじゃないかなって、
私もそう感じました。
十人十色。
どの人のお産にも、きっと意味があると思います。
by muracchi (2011-07-04 23:32)
先生、いつも拝見してます。
帝王切開も立派なお産と産婦人科医である先生に言って頂けると嬉しく思います。
私は5/30に三回目の帝王切開で第3子を授かりマました。
一人目は、回旋異常で緊急帝王切開、
二人目は、ブイバックできる病院でしたが横位だったのと
31週での早産だったのでやはり緊急帝王切開。
三人目は予定帝王切開の予定でしたが、手術の前日のNSTで赤ちゃんの心拍が落ちてる事が分かり、緊急帝王切開になりました。
こども達がみんな無事に生まれてくれたことは嬉しいのですが、いつも緊急でバタバタして出産に不満足感があり
よく雑誌などで目にする「良いお産」とは全然違うとかなしく感じてました。
先生の帝王切開の意味を考えるを読んで、私の帝王切開にもきっと意味があったんだと色々考えるようになりました。
先生ありがとうございました。
by ゆう (2011-07-05 09:04)
muracchiさん、コメントありがとうございます。
最初から帝王切開と決まっていたとしても、やはりその帝王切開には深い意味があると思います。
しわしわになったお腹も、帝王切開の傷も、お母さんが頑張った証しです。
by haru (2011-07-10 12:28)
ゆうさん、コメントありがとうございます。
頑張りましたね。
怖い思いや痛い思いをしたことをいい意味の「自信」に変えて、前に向かって進んでほしいと思います。
by haru (2011-07-10 12:43)
三日前に回旋異常で緊急帝王切開になり出産しました。
全て順調で、予定日ちょうどに陣痛がきて、子宮口も順調に開き、全開したのにもかかわらず、赤ちゃんがおりてこず結果回旋異常ということで緊急帝王切開。
私に原因があったのか、産まれてきた我が子を見て、目と額に赤い痣ができていました。顔が真上を向いていたらしく、一生懸命出てこようとして、この子も沢山苦しんだのかと思うと凄く可哀想で申し訳なくなって、私の身体に傷ができるくらいで、無事元気に産まれてくれただけ感謝しなきゃとは思うものの、やはり自然分娩で産んであげたかったと思ってしまいます。
先生のブログを拝見して少し元気が出ました。
ありがとうございます。
by かーくん (2013-03-10 22:46)
かーくんさん、コメントありがとうございます。
自然分娩で産まれても、帝王切開で産まれても、お母さんが頑張って産んだことには変わりないと思います。
自分がイメージしていたお産と違う、ということは、ある意味、残念かもしれません。
しかしながら、それはお産の過程が異なるだけで、元気な赤ちゃんを産んだという結果には変わりはなく、そういう意味では、「イメージ通り」ではなかったでしょうか?
少なくとも、産まれた赤ちゃんが大きくなったときに、産まれたときのことをいろいろ聞かせてあげてください。
きっとキラキラと目を輝かせて聞いてくれます。
by haru (2013-03-16 17:08)
はじめまして。
いつも興味深く読ませていただいております。
わたしは2人の子供を帝王切開で出産しました。
二人とも重い切迫早産で3ヶ月入院してやっとの思いで出産しました。
上のお兄ちゃんの出産は、陣痛も順調にきていたのですが、急な出血で緊急の帝王切開でした。
出血の原因は絨毛羊膜炎とのことでした。
お兄ちゃんの出産のときに帝王切開ではなく自然に産みたかったと心から思いました。やっぱり周りに帝王切開は自分で産んだのではないようなことを言われたからでした。本当に悔しかったんです。だって、すごく頑張ったんですから。
下の子はもちろん予定帝王切開でした。
ずっと入院していたので、普通の妊婦さんよりはエコー検査も多くうけていました。
エコーでは確認できませんでしたが赤ちゃんの首に臍の緒が巻きついていたとのことでした。
もしもお兄ちゃんが帝王切開でなければ、もしかしたら妹は危険な状態になったかもしれないと思うと涙がこぼれました。
やっと帝王切開での出産に納得ができたような気がしたのです。
5年かかりました。
お兄ちゃんは妹を守ってくれたんだと信じています。
わたしは2人目の手術のときに子宮がうすくなってると言われました。
それでも3人目の出産は可能なのでしょうか?
by なっちゃん (2013-06-24 19:18)
なっちゃんさん、コメントありがとうございます。
頑張って産んだんですね。
それで十分です。
胎盤早期剥離は、その自体が次のお産の時のリスク因子になります。
つまり、前のお産が胎盤早期剥離だったら、次もなりやすいと言うことです。
また、帝王切開そのものも、胎盤早期剥離のリスク因子となります。
つまり、次の妊娠は、2回目以上に、胎盤早期剥離になりやすいと言うことです。
一人目さんから5年も経っているということは、母体年齢のリスクもさらに加わるのではないでしょうか。
そういったことを、ご主人と相談して、決めていただければいいでしょう。
先生、どうでしょう?と訊かれたら、
止めといたら、というかも知れません。
by haru (2013-07-05 15:26)